二つの誤解

 5年生の保護者会で、勉強のことについて少しお話しました。

 高校、大学へ行って困ること
              秋葉台小学校 小林幹彦

 中学校3年生の秋になるとどの高校を受験するか決めなければならなくなります。そこに至るまでどんな生活をしてきたかとは関係なく決めなければならなくなり、悔やむ人がいます。一方、早いうちから準備をしようと焦って小さいころから受験だけを目的とした勉強に猛進する人もいます。多くは大学受験でうまくいかなくなります。首尾よく希望大学に入学してもその後の学生生活に意欲が持てなくなるケースも多いようです。

1 勉強に対する誤解
(1)誤解1
  入試に出題される問題に即座に答えられるようにすることが勉強だという誤解
(2)誤解2
  知識とは別に考える力が存在するという誤解
2 学力にもいろいろある
(1)学んだ結果としての学力
 (ア)ペーパーテストで測りやすい学力 (イ)ペーパーテストで測りにくい学力
(2)学ぶために必要な学力
3 入試問題にもいろいろある
(1)良問 ⇒ 入学してほしい人間の姿を考え、何とかそのような人間を選抜しようと丁寧に練ってある問題。理解の深さや広さが反映される。
(2)悪問 ⇒ 作るのも簡単、採点も簡単。断片的で一面的な知識が反映される。
4 どんな学生が欲しいか
  学ぶことに意欲的、自分で課題を見つけ自分で取り組んでいく、理解力があり(聞く力、読む力)表現力がある(まとめる力、説明する力)、自己評価ができる、等々。基本的な知識・技能を十分持って講義を聞いて理解できる、論理的に考え発表できる、等々。
5 大学で困ること
  問題集や塾がない、偏差値もない、何をどれだけ勉強すればよいか分からない、自己評価ができない等々。英語を読むのに時間がかかる、計算を含む説明が理解できない、地理や歴史の知識が足りず講義が聞き取れない、等々。

お伝えしたいこと
 「入試問題に正解できればよい、入試に出ないことは勉強しても無駄」という考えと、「受験勉強は無駄、課題解決や体験を重視すればよい」という考えのどちらも偏りすぎだと思います。受験圧力があればこそできることもあります。深く学んでわかる面白さもあります。大切なのはバランスです。
 そして、そのために必要なことは学校の授業を中心に勉強することです。

水温?

 「えーっと、ここでいいかなぁ」「あっちの角がいいんじゃない!」「そうだね、そうしよう」水温計を持った子どもたちが田んぼのあぜ道を動き回ります。何事でしょうか?その答えは最後に分かりました。
 草取りが終わり、自然観察も終わり、最後の解説です。
 「稲は、南の暖かい地域からきた植物です」・・・「水が冷たいと育ちにくいのです」・・・「この田んぼの水は湧水です」・・・「水温を上げなければなりません」・・・「どうするか」・・・「できるだけ水をためるのです」・・・「上の田んぼの水をまた次の田んぼで使うようにしているのです」・・・「では、測定した水温を発表してください」
 「はい!21度です」「20度です」「23度です」・・・「27度です」
 「はい、ありがとう」・・・「上の田んぼから次の田んぼ、そしてまた次の田んぼというように水温が高くなっていくのです」・・・。
 すばらしい授業でした。
 子どもたちの納得した表情は、まさに科学に触れた満足の表情でした。

 「里山農業クラブ」の皆さん、本当にありがとうございました。

           平成24年7月3日 「田んぼの学校」で校長より

じっと見てください

 おはようございます。

 人間の赤ちゃんにいろいろな絵、丸や三角やいろいろですね、を見せると、人間の顔の絵を一番じーっと見るそうです。まだ、歩けない、言葉も使えない寝たままハフハフしている赤ちゃんです。不思議ですね。
 人間の赤ちゃんは生まれつき人間の顔をじっと見て、その人の気持ちを汲み取ろうとする力が備わっているのです。相手が何をしようとしているのかな、どんな気持ちかなということをわかろうとするのです。
 さて、皆さんは授業のときどうしていますか?
 先生の話を聞くときに顔をじっと見ていますか?
 叱られるときはどうですか。聞きたくない、嫌だなと思い、違うところを見たりしていませんか?
 先生はどんな気持ちなんだろう、何を教えてくださるんだろう、そんな気持ちでじーっと顔を見て話を聞くことが大切です。
 皆さんには、相手の気持ちをわかる力が備わっているのですから。

            平成24年7月2日 児童朝会で校長の話より

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