インプットとアウトプットの間にあるもの

 小学校に来て子どもたちの元気な声に喜びを感じています。高校生になると恥ずかしさもあってか、あまり声は出なくなります。
 さて、効果的な勉強の一つに音読があります。音読はなぜ効果的なのでしょう。私はこう考えてみました。人間の脳は感覚器と運動器の間にあります。感覚器がとらえた情報が脳に入り、脳がその情報を処理して何らかの反応としての新たな情報を作り出します。その情報は運動器に伝えられ、行動を起こします。
 つまり、頭を鍛えようと思ったら感覚器も運動器もどちらも使う方がよい、ということです。見て(感覚器)、読み取って(脳)、声に出す(運動器)。使っているところが多く、記憶に残りやすいのです。しかも自分で発した声を、聴いているのです。理解が不十分なところは読み間違えるので気づくことができ、修正できます。さらにうまく読めるとうれしくなります。ここが大事です。うれしいということは、脳にご褒美が与えられたということです。脳には報酬系というところがあり、そこが刺激されると脳の機能が高まるそうです。
 ある高校の英語の先生が授業で徹底的に音読をさせました。高校生ですから最初は恥ずかしがる子もいたのですが、それを乗り越えさせて続けました。それだけが理由ではないと思いますが、英語の成績が上がったのです。クラス全体、学年全体の成績が上がったのです。
 大きな声ではきはきと音読できたり、しようとしている姿勢をしっかりと褒めてあげてください。大きな声が出せる小学生のうちに、この勉強法を身に着けておくといいと思います。

               平成24年4月20日 3・4年生保護者会で校長より

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