高校と中学校の間  ― 今、小学生に必要なこと ―

 高校に入学してきた子どもたちが、大学受験を前提にした学習のことで一番驚くのは、中学生の時と違う学習内容の奥の深さ、量の多さではないでしょうか。大学入試問題は高校入試問題に比べると格段にその出題範囲が広く、ある意味範囲がないといってもいいくらいです。たとえば、英語ではどこまでが高校英語の範囲なのか、明確に言えないくらいです。覚える必要のある単語数も4,000語〜5,000語にものぼります。内容的にも専門性が高く「英語の試験というよりも国語や社会・理科の試験のようだ」という受験生もいます。大学側も一夜漬けでは間に合わない試験にしたいと考えているのでしょう。大学入学後、本当に活躍してくれる人を選びたい、と考えているのだと思います。
 したがって小さいころからの、そして日々の、偏らない学習が必要になります。
 しかし、多くの高校生は一夜漬け的な高校受験の成功体験からなかなか抜け出せません。試験に出題される教科・科目の、しかも出題される部分だけを効率よく覚えようと単純に考えます。このような勉強をした子どもたちにとって難関大といわれる大学の問題(二次試験の)がどれほど難しく感じられることか、想像を絶するものかもしれません。

 どんなことにも意欲的に取り組みなさい。

 どこの学校でも指導されることです。この当たり前の指導の背景にはこのような意味もあるのです。大学受験が近づいて来れば、徐々に必要な教科・科目や範囲に勉強の的が絞られていくのは当然です。最後の詰めは、それでいいと思います。ただし、根本に幅広い学習、教科・科目だけでなく幅広い体験、の蓄積が必要だと思います。小学校5・6年生の今は、その時期だと思います。

               平成24年4月19日 5・6年生保護者会で校長より

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