このページでは「全校朝会」での講話などを紹介します。

南大沢小・柏木小合同キャリア教育 はちっこプロアーチ挨拶

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6月14日、南大沢小学校と柏木小学校の6年生合同によるキャリア教育の授業を行いました。大変お忙しい中地域教育協力隊の皆様の協力により、たくさんの協力企業、団体の皆様にご協力いただきました。はじめの挨拶を掲載いたします。

 皆さんおはようございます。今日は「はちっこプロアーチ」と題して、キャリア教育の体験授業を行います。同様の内容の授業を以前に他の学校でも実施したことはあったのですが、二つの学校が合同で行うのは今回が初めてです。その意味でも今日の新しい取り組みにとても期待しています。
今日の授業は「地域キャリア教育協力隊」「コーチネーター」「協力企業」「各団体」の皆様のご協力により実現しました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。こうした取り組みは「地域の子は地域で育てる」という八王子市の理念とも合致し、大変意義深いものとなっています。先の見えない未来、おそらく現在の小学生が大人になって社会に出るころには、全く違った職業種別になっていると思われる現代、キャリア教育についての注目度はますます増しています。単なる職業選択ではなく、小学校段階では、生き方、夢を実現する努力、簡単にあきらめない粘り強さ、などを実感する場としての職業体験ができれば、と願っています。
 さて、南大沢小学校、そして柏木小学校の6年生の皆さん、今日の学習では三つのことを心がけてください。一つ目は、挨拶をしっかりして礼儀正しく振舞いましょう、ということです。大変忙しい中協力企業、団体の皆さんが来てくださっています。感謝の思いをもって取り組んでください。二つ目は、疑問に思ったことは、どんどん質問する、ということです。もしかしたら大人にはない子ども目線の発想の質問に、大人もハッとさせられ、何かのヒントにつながるかもしれません。三つ目は、楽しんでください、ということです。二つの学校で合同のチームを作ります。なかよく、そして普段は体験できないことを思いっきり楽しんでください、ということです。それでは楽しい一日にしましょう。はじめの挨拶を終わります。

6月の避難訓練 台風の接近に備えた集団下校 講話

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 今日の訓練は、台風が接近した時に、風雨が強まらないうちに安全に避難する。そのために、方面別の地区班に分かれて下校する、という訓練です。地震や火災のいつもの訓練とは違いますね。ちょっとややこしい。でも、実はこの方面別集団下校は実際に年に何度か行うくらい頻繁に起きる事態です。だからしっかりと状況を理解して今日の訓練を役立ててください。
 ちょっと考えてみましょう。地震や火事との大きな違いが分かりますか?それは、突然起こる火事や地震に比べて、いつ起きるのかが予測できる、ということです。台風が近づく時の天気予報を見たことありますね。何日の何時ごろ、どこどこに接近します。風の強さはどのくらいで、河川には近づかないように…だから、学校でももしも午後に台風が接近するのだったら、午前中で授業を切り上げて下校する、ということがあります。この南大沢小学校の周辺は、台風や大雨でも洪水や土砂崩れからは比較的安全とされてはいます。でも、皆さん知っている通りこの辺り古い木が多いですね。台風で枝が折れて落ちてくる、何ていうこともあるかもしれません。看板や物が飛んでくることも考えられます。学校から家までの間でどこが危険な場所なのか、しっかり考えて今日の訓練に臨んでください。
それから、集団下校の場面は台風だけではありません。例えば、学区内に不審者が出た、近所で強盗があって犯人が逃げている、ということも起きるかもしれません。実際に校長先生は以前勤めていた学校で経験しています。保護者にも連絡し、安全を確保しながら集団で下校する、という場面は意外に多いのです。
 さて、台風の接近や不審者などがいるかもしれない状況で下校するのに、道いっぱいに広がったり、みんながばらばらに寄り道したりしながら下校して大丈夫ですか?大事なことは、周りの状況をよく観察しながら、でも素早く行動する。困っている下級生や友達がいたら声をかける、ということですね。先生、上級生の指示を聞いて、真剣に取り組み、家の人に今日の内容を報告しましょう。

5月13日全校朝会 『言葉は心の窓』

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5月13日(月)朝会 『言葉は心の窓』
 皆さんおはようございます。今朝は雨が降っていますね。残念ながら思いっきり外遊びをするのは明日以降になりそうですが、雨の日は室内での過ごし方を工夫して、雨の音を聞いて、雨の景色を眺めて、この雨を「恵」として喜んでいる植物の気持ちを想像してみましょう。
 さて、今朝は「言葉」についてお話します。なぜかというと、最近学校で皆さんの様子を見ていると、あまり言葉が上手に使えていないな、皆さんにもっと言葉を大切に使ってほしいな、と思うことが増えたからです。「言葉の大切さについて」話をするために、まずは「言葉」という単語ができた時のことを調べてみようと思いました。すると、その成り立ちの中に、いきなり答えのようなものが見つけることができたのです。「言う」に「葉っぱ」と書く「言葉」。この漢字があてはめられたのは室町時代と言われていますから、今から600年くらい前。でもそれよりはるかに古い、今から1000年以上前に作られた「古今和歌集」という歌集の初めのところに紀貫之という有名な歌人がこんな文章を残していたのです。

やまとうたは 
ひとのこころをたねとして
よろづのことの葉とぞなりける

 むずかしいですね。でも、簡単に今の言葉にすると、「歌(和歌)というのは、人の心という種から、葉っぱが茂るように、いろいろな「言葉」が生まれてできたもの」というような意味です。ここで大切なのは「人の心を種として」というところ。人の心が美しければ、明るく美しい言葉が生まれ、人の心が醜ければ、暗く汚い言葉が生まれてしまう…ということに遥か1000年以上前の人が気づいていたのです。そんなのあたりまえ、と思うかもしれませんが、「言葉はその人の心を表している」と言われたとき、校長先生はドキッとしました。悪口を言ったり、汚い言葉を発したりしてしまうのは、言った本人の心が汚れてしまっているからだ、という意味にも受け取れるからです。反対に、明るく、温かい言葉を使う人は、外から目には見えなくても、きっと心の中も明るく温かい人なのだ、ということになるからです。その意味では、「言葉」とは一人一人の心の中を表す「心の窓」だったんですね。
 この南大沢小学校の昇降口に、皆さんから集めた「ふわふわことば」「ちくちくことば」が貼ってあるのを知っていますか。昨年度、各学級、学校全体で「いじめをなくすためにできること」の中で、みんなで考えた言葉ですね。ぜひ、周りの人が温かい気持ちになるような「ふわふわことば」をたくさん使って、自分の心も温かく優しく育ててください。そして、場面によって「丁寧な言葉」や「仲良し言葉」を使い分けられるような「言葉の達人」になってください。実は、この学校にはたくさんの「達人」や「名人」がいるんです。それはね、6年生です。下級生への声掛け、職員室に入る時の挨拶、6年生の立派な「言葉」をぜひお手本にしてください。

 最後に、詩を一つ紹介します。この人は今から70年以上前に活躍した北原白秋という作家で、たくさんの詩や子ども達に向けた歌などを作った人です。実はこの八王子市の歌も北原白秋の作詞です。詩や歌を作る人として、人一倍言葉を大切にしていて、世の中に飛び交う様々な言葉を聞きながら考えたことを詩にしました。

『ひとつのことば』    北原 白秋

ひとつのことばで けんかして    ひとつのことばで なかなおり
ひとつのことばで 頭が下がり    ひとつのことばで 心が痛む
ひとつのことばで 楽しく笑い    ひとつのことばで 泣かされる
ひとつのことばは それぞれに    ひとつの心をもっている
きれいなことばは きれいな心    やさしいことばは やさしい心
ひとつのことばを 大切に       ひとつのことばを 美しく

引き渡し訓練 講話より

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大規模災害に備えた警戒宣言時の児童引き渡し訓練 講話

 日本は、災害大国だといわれています。4月の避難訓練でもお話したように、1年間に1000回を超える地震が起こっています。今日の訓練で想定している「警戒宣言」とは、「2〜3日以内にマグニチュード8程度の大地震(東海地震)が発生することが予想される」という警告で、そうなると内閣総理大臣から「大規模な地震の発生に備えて、安全の確保や準備を行ってください」という指示が出されることになっています。また最近では、地震以外にも、地球温暖化の影響もあって、季節を問わず台風や低気圧の接近に伴って、大雨や強風、洪水といった風水害も発生しています。特に風水害の場合は、気象予報を参考に、あらかじめ嵐の発生が予想できることもあります。
 そんな時、学校では、授業をやめて、帰りの支度をして、お家の人に迎えに来てもらうようにすることがあります。今回は大きな地震が予想される、もしくはすでに発生した、という想定での訓練です。不安でパニックになりそうなときにも、あわてずに安全に、皆さんがお家の人に会って一緒に帰れるようにする大切な練習です。南大沢中学校に兄弟がいる人は、年上の家族から順番に引き渡しを行うので、本当に災害が起こった時にはかなり長い時間、学校で待ってもらうことになるかもしれません。でも、この南大沢小学校の校舎や体育館は、台風や地震にも耐える丈夫な構造をしているので、安心してください。
それでは皆さんのお家の方へお話をします。
 保護者の皆様、本日はご多用の中、引き渡し訓練にご参加いただき、ありがとうございます。先程、子どもたちにも話したように、「災害時における警戒宣言」が出されたときには、原則として子どもたちは学校で待機させ、保護者引き渡しによる下校となります。
学校からは、様々な手段でご連絡をいたしますが、災害時には、ニュースやインターネット等で正しい情報を集め、ご家族の安全を確保された後、引き取り人としてご登録いただいた方にお子様を学校に引き取りに来てくださいますようお願いします。万が一、交通機関などが止まり、どなたも迎えに来られない場合は、学校が責任をもってお子様をお預かりしますので、どうぞご安心ください。
 さて、今日は大変お忙しい平日にこのような形で訓練に参加していただきました。貴重な機会ですので、ぜひ各ご家庭の防災意識を高めるチャンスにしてください。
1 今日の設定を振り返りながら、自宅までの危険個所、回避ルートを確認してください。
2 家庭の防災対策、食料品の備蓄などを確認してください。
3 東京防災のマイタイムライン…どんな時にいつ、どこでだれと落ち合うのか、携帯電話が使えないことも想定して、しっかり確認をしてください。
まだ計画段階ですが、10月頃に地域の南大沢自主防災が規模の大きな訓練を予定しています。ぜひ関心を高め、積極的にご参加いただければと思います。よろしくお願いします。

1年生を迎える会 校長の話

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 南大沢小学校の皆さん、おはようございます。そして1年生の皆さん、改めて、入学おめでとうございます。1年生の皆さん、ここにいるお兄さんお姉さんたち、先生方、学校の職員の皆さん、地域で見守ってくださるたくさんの方々、みんなが、1年生20人の入学をとっても楽しみにしていました。黄色い帽子とランドセルで毎日元気に登校する様子を見て、校長先生はじめ、地域の皆さんはとても幸せな気持ちになっています。皆さんの成長を自分のことのように楽しみにしています。
 さて、小学校に通うようになって1週間と少しが経ちました。ドキドキした気持ちも、少しやわらいで、だんだんワクワクした気持ちが強くなってきているのではないでしょうか。入学式での校長先生のお話を覚えていますか?それはこの学校を大好きになってほしい、ということでした。そのために二つのことが大切、と伝えました。一つ目は「お友達をたくさん作ること」、二つ目は「できること、楽しいこと」をどんどん増やしていく、ということです。お友達…もうすでにたくさんできているようですね。できること、楽しいこと、「元気な挨拶」できていますか?「ランドセルをロッカーに入れること」できていますか?「家で学校のこと」、たくさんお話ししていますか?簡単なようですが、それができたら、とってもすごいことなんです。昨日からは給食も始まりましたね。楽しい学校生活を、ここにいる上級生といっしょにつくっていきましょう。

令和5年度入学式 式辞より

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令和六年度 八王子市立南大沢小学校 入学式式辞

 一年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 皆さんの入学を、上級生のお兄さん、お姉さん、先生方やたくさんの人たちが、楽しみに待っていました。今日から皆さんは、八王子市立南大沢小学校の一年生です。
 皆さんには、この南大沢小学校を、大好きになってほしいと思っています。今、ここにいる皆さんが、この学校を大好きになれるようにする方法が二つあります。一つ目は、お友達をたくさんつくることです。そして二つ目は、そのお友達と一緒に、「できること」や「楽しいこと」をどんどん増やしていくことです。皆さんが南大沢小学校を大好きになれるよう、先生や主事さん方が、皆さんと一緒に、毎日を過ごしていきます。実は、校長先生は、ちょうど一年前の四月にとってもドキドキしながらこの学校に来たのですが、あっという間にこの学校が大好きになりました。その一番の理由は、毎朝大きな声で「おはようございます」の挨拶をして、子供たちや地域の皆さんと仲良くなったからだと思います。だから、皆さんも、飛び切りの笑顔と元気な挨拶をお願いしますね。一回やってみようかな…「おはようございます!」素敵な挨拶をありがとう。さて、それではここからは、皆さんのお家の方々に、校長先生からご挨拶をしますので、そのまま聞いていてください。
 保護者の皆様、お子様のご入学、おめでとうございます。本日より、皆様の大切なお子様をお預かりいたします。私たちは、南大沢小学校を「すべての子供が笑顔になる学校」とすることを目指しています。学校に行けば楽しいことが待っている、学校に行けば、大好きな仲間や先生がいる。そんな環境の中で、すべての子どもが、安心して自分の力を発揮し、存分に活躍できる場となるよう、全教職員がチームとなって教育活動を進めてまいります。
 本校は本年度開校四十周年の節目の年を迎えます。保護者の皆様、ならびに地域の皆様には、本校の教育活動へのより一層のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 一年生の皆さん。さあ、小学校生活の始まりです。毎日、皆さんの、元気いっぱいの笑顔に会えることを楽しみにしています。これで、お祝いの言葉を終わります。

  令和六年四月八日 
八王子市立南大沢小学校長 安田 尚民

令和6年度1学期始業式より

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令和6年度がスタートしました。4月8日、満開の桜に彩られたおだやかな朝に始業式、入学式と無事に終了することができました。始業式の講話内容を掲載いたします。

 新2年生から6年生の皆さん、進級おめでとうございます。令和6年度が始まりました。改めて、よろしくお願いします。まず、新6年生の皆さん、まだ春休み中の4月5日に登校して新学期の準備をしてくれました。ありがとう。掃除や飾りつけ、机や椅子の移動など、学校全体のため人一生懸命取り組む様子は、本当に立派な南大沢小学校のリーダーでした。さすが6年生、と嬉しく思い、安心しました。南大沢小学校は決して大きな学校ではありませんが、6年生が子供たちのまとめ役としてリードし、進級したそれぞれの学年が自分たちの役割をしっかり自覚し、進んで行動することで、他のどんな学校にも真似のできない素晴らしい学校を創ることができる、と思っています。この学校に来てちょうど1年、校長先生はますますこの学校が好きになりました。南大沢小学校に来られてよかったなあ、と感謝しています。それはこの学校がきれいだから、自然がいっぱいあるから、給食が美味しいから、だけではありません。もちろん、それもあります。でもそれ以上に、前日準備の6年生のように学校のために一生懸命尽くす姿、校長先生のお話を真剣に聞いてくれるみんなの姿を見ているときに、一番そう感じるのです。
 新1年生19名を迎え、南大沢小学校は98名で令和6年度をスタートしました。今年も南大沢小学校のスローガンは、去年と同じ「すべての子供が笑顔になる学校」です。これから始まる1年、これまで以上に皆さんの素敵な笑顔を見せてください。「笑顔になるために」「笑顔でいるために」「誰かを笑顔にするために」そんなことをいつも考えて、過ごしていきましょう。そのために、3つのことを心がけてください。
 一つ目は、「あいさつや返事をしよう。」ということです。あいさつをされたら、それだけで、お互いに気持ちが伝わりうれしくなります。誰でも笑顔になります。
 二つ目は、「全員の顔と名前、そしてその人の素敵なところを覚えよう。」ということです。「全員」はクラスだけではありません。全学年、先生や主事さん方も全員です。こんなことができるのは南大沢小学校だけの特権です。名前を呼んで、素敵なところを知ってもらえたら、みんな嬉しくて笑顔になります。
 三つめは、「しっかり勉強しましょう。」ということです。これは、去年もお話しました。ええ?という顔をしてはいけません。分からないことが分かった、できなかったことができるようになった、今までよりもっと上手になった、という「できた、分かった、高まった」を大切にしてください。その瞬間、人は必ず笑顔になります。
 最後に、もう知っていますね。今年は南大沢小学校40歳の特別の年です。一日一日を大切にして、南大沢小学校を今よりもっと、日本で一番素敵な学校にしましょう。

令和5年度修了式 式辞

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 みなさんおはようございます。そして1年間の学校生活の「修了」おめでとう。1学期2学期の最終日は「終業式」、でも今日、3学期の最終日は「修了式」です。言葉は似ていますが、その意味は大きく異なります。「終業」とは、ある期間の「授業」を終えることです。でも「修了」はその学年の学業全般を修める、しっかり身につけた、ということを意味します。次の学年に進級するために必要な内容を身につけていることを証明する最も大切な儀式が今日の修了式です。皆さんの修了証は、通知表の最後のページに記されています。校長先生は児童全員の通知表を読みました。日々の学習で、いつも丁寧な字を心掛けたこと、間違いを恐れずに進んで手を挙げて発言したこと、何度も何度も練習して跳び箱が飛べるようになったこと、困っているお友達に声をかけ励ましていたこと、休んでいる友達の代わりに当番活動を進んで行ったこと、明るいあいさつで教室に笑顔を広げてくれたこと…などなど、ここにいるすべての皆さんの成長した立派な様子を知って、とても嬉しくなりました。今年1年間の学びをしっかりと身につけ、心と身体を成長させたのだな、と実感しました。
 さて、この修了式に先立って、先週の金曜日には卒業式があり、17人の6年生が、南大沢小学校を卒業していきました。4年生、5年生の皆さんは、在校生の代表として、その卒業式に参加しましたね。6年生から学校のリーダーとしてのバトンをしっかり受け取り、引き継いでいく力強い決意を表明したその姿は、大変立派で頼もしいものでした。123年生の皆さんも、委員会活動や縦割り班、運動会や全校遠足、そしてついこの間の「ミニ子供まつり」での6年生の優しく頼りがいのある姿、覚えていますね。「上級生が下級生のことを気にかけ、全ての子供たちがお互いの顔と名前、そして一人一人の素敵なところを知っている」、そんな学校が南大沢小学校です。そしてこのことが南大沢小学校で一番大切にしたい「伝統」です。頼りがいのある6年生が卒業していくのは寂しいですが、この修了式を境に一つ上の学年になる準備が整ったみなさんなら、南大沢小学校の大切な伝統を受け継ぎ、今よりもっと素敵な南大沢小学校を創ることができると期待しています。
 そしてもう一つ、忘れてはいけないのが、こうして今日の日を迎えることができた陰で、皆さんのことをいつも応援し、支えてくださった家族、地域の皆さん、先生や学校で働く皆さんがいた、ということです。1年間の終わり、節目の今こそ、「ありがとう」、の気持ちを伝えてください。少し照れ臭いとは思いますが、今日家に帰ったら、通知表を渡すときに、「1年間ありがとう。」と言ってみてください。地域の人に出会ったら、「いつもありがとうございます。」と伝えてみてください。家族や地域の方は、その一言で、全ての疲れが吹き飛ぶくらいうれしくなります。みんなのことがもっともっと好きになります。
 さあ、明日から春休みが始まります。桜のつぼみも、けやきの新芽も、道端の草花も、春はみんなぐんぐん大きく成長する季節です。新しい学年で、ぐんぐん成長できるように、しっかり計画を練っておきましょう。新しい自分になる「作戦」を練っておきましょう。4月8日に、皆さんとまた会えることをとっても楽しみにしています。

第39回卒業式 式辞より

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令和五年度第三十九回卒業式【式辞】

 校庭の桜のつぼみは膨らみ、春の訪れを感じる季節となりました。八王子市立南大沢小学校第三十九回卒業式を、このように子ども達にとって一番親しい皆様に囲まれ、温かい雰囲気の中挙行できますことを、心からうれしく思います。
 六年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。先ほど、一人一人に卒業証書を渡しました。「小学校の全過程を修了」、改めて、六年間本当によく頑張りました。自信に満ちたその表情から、みなさんが過ごした六年間が、そして六年生としてのこの一年間が充実していたことを感じました。
 この六年間振り返ると、元号が平成から令和へと変わり、ラグビーのワールドカップ、そしてここ東京でオリンピックパラリンピックが開催されるなど、華やかな面があった一方、新型コロナウイルス感染症の世界的流行、ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナにおける紛争、そして今年一月の能登半島地震など、当たり前の日常を突然奪い去るような衝撃的な出来事も次々と起きました。そうした目を覆いたくなるような現実の陰で、それでも世界中の人々は連帯し、助け合い、励まし合い、明日への希望をつなぎとめようと懸命に努力を続けた六年間であったことも忘れてはいけません。そしてその中には、南大沢小学校の十七人の六年生も入っているのです。未来の教科書にきっと書かれるであろう歴史的な節目の中でも、みなさんはいつも前向きな気持ちを忘れず、自分のもてる力を一歩ずつ、着実に高めてきました。ここ南大沢小学校でなければできない貴重な体験を、一生の財産として心と身体の中に積み重ねてきました。私がこの学校に来たのは昨年の四月ですから、皆さんと一緒に過ごした期間は一年間でしたが、その間にも、何事にも一生懸命取り組み、低学年の児童にも気を配り優しく接する「南大沢小学校の伝統」を日々体現するすばらしい六年生としての姿を何度も目にしました。
 委員会活動では、今よりもっと良い南大沢小学校の実現を願って、日々責任感を持って活動にあたりました。能登半島地震や紛争地帯の子供たちを支援するための募金活動にも率先して取り組みました。親せきの家を回って集めたお金を、嬉しそうな表情で、そして誇らしげに募金箱に入れている姿がありました。縦割り班活動では、低学年の子供たちでも楽しめる遊びについて議論し、本番では、いつも審判や見守りの役割に徹していました。運動会の表現種目では、今年から四五六年生によるソーラン節が始まりました。今年から始まったのだから、スタートラインはみんな一緒のはずでしたが、六年生は夏休み前から自主課題として練習に取り組んでいました。お互いに動きを見合い、うまく踊れないところは動画を研究して必死に覚えてきました。それは、ひとえに「上級生として下級生に教える」という立場がもたらした使命感、責任感に他なりません。先日の六年生を送る会で久しぶりに披露されたソーラン節のパフォーマンスを見て、多くの下級生から六年生の姿への憧れの感想が聞かれました。
 そして、つい最近も、そんな六年生の「南大沢小学校のみんなのために」という行動を象徴する出来事がありました。三学期になると、多くの学校で六年生による「奉仕活動」が行われます。清掃や修繕、美化活動などが行われることが多いのですが、この六年生は違いました。どうしたらみんなに喜んでもらえるか、みんなの笑顔が見られるか、という視点で「奉仕活動」の中身を話合い、「ミニ子供祭り」を開催することにしたのです。ゲームを考え、準備を済ませると、思う存分遊んでもらえるよう、昼休みに一学年ずつ招待する、という素敵な配慮もしていました。
 こうした六年生の行動は、どれも「自分の為」「自分たちが楽しむため」の前に、「誰かの為」「みんなを楽しませたい」を優先しています。「利己」ではなく「利他」の動機に基づいていることに私はとても感動しました。二十一世紀、日本は垂直方向の発展と同時に、水平方向への幸福、ウェルビーイングを追求する時代に入っています。「すべての子供が笑顔になる学校」という今年のスローガンを最前線でけん引した、あるいは最後尾から押し上げたのが六年生であったことを改めて実感しました。みなさんが一生懸命取り組んできたその姿は、南大沢小学校の伝統として後輩たちにずっと受け継がれていくことでしょう。学校のリーダーとしてすばらしい「南大沢小学校」を作ってくれてありがとうございました。
 いよいよ四月からは中学生です。新しい出会いや中学校生活への期待にわくわくする一方で、不安を感じている人もいるかもしれません。でも大丈夫。みなさんは一人ではありません。みなさんの周りにいる友達や家族、先生方や地域の方が必ず見守ってくれています。南大沢小学校で培った「やさしさ」を大切に、自信をもって進み、そしてたくさん回り道をして自分だけの人生を歩んでください。
 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。卒業証書を手にする姿に、感慨もひとしおのことと思います。私たち、教職員一同は、お子様の健やかな成長を願って精一杯教育活動を行って参りました。行き届かぬところも多々あったかと思いますが、皆様のご協力、お力添えをいただきましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。これからは中学校という新しいステージに移ります。義務教育九年間の総仕上げです。いろいろな試練もあると思いますが、お子様の心の支えとなり、一緒に乗り越えて欲しいと願っています。
 さあ、みなさん、いよいよ旅立ちの時です。みなさんが中学校で、元気にそして笑顔で活躍することを、心から願って、私の式辞とさせていただきます。

令和六年三月二十二日
八王子市立南大沢小学校 校長 安田 尚民

3月11日全校朝会 「いのちの日」

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 3学期もいよいよあと残り2週間となりました。1月のはじめ、始業式で校長先生がみなさんに伝えた言葉、覚えていますか?「3学期は次の学年の0学期」。気持ちの上では、もう次の学年に進級しているような、そんな心意気で過ごすことができたでしょうか?校長先生は、皆さんの立派な成長をいろんなところで発見しました。最近では、「南小フェスタ」。舞台でダンスを披露してくれた児童はもちろん、企画、撮影、演出まで工夫を重ねて動画を作成し公開していた皆さん、皆さんのアイデア、度胸、やる気にとても感心し、校長室のパソコンで動画を見ながら声を上げて大笑いしてしまいました。そして5年生がリードした縦割りお別れ会。5年生が一生懸命リーダーを務め、下級生に優しく接している様子を見て、とてもうれしくなりました。皆さんの取り組みによって「すべての子供が笑顔になる学校」にまた一歩近づきましたね。
 さて、今日は3月11日です。今から13年前のこの日、東日本一帯で震度7という巨大な地震が発生しました。地震に伴う津波、原発の事故などの災害のために、多くの人が亡くなったり家を失ったりしました。ここにいる皆さんはまだ生まれていないころの出来事なので、知らないこともたくさんあると思いますが、大きな災害の中で大切な人を失った深い悲しみ、苦しみ、そして何とか生きていくために助け合ったこの地震のことを忘れないために、3月11日は「いのちの日」と制定されました。そしてこの大震災をきっかけに、防災(災害を防ぐこと)、減災(災害の被害を少しでも減らすこと)、自助(自分のことは自分で助ける)、共助(他の人と協力して助ける)、公助(町や国が支援して助ける)、という考え方が一気に進みました。その教訓は、今年の1月に起きた能登半島大地震でも生かされています。だから、皆さんには、生まれる前の出来事だったとしても、東日本大震災のことについては、よく知っていてほしい、と思っています。
 今から13年前、当時6年生の担任だった校長先生は、6時間目に家庭科室で子供たちと「べっこう飴」を作っていました。2時46分、激しい揺れが襲ってきて、みんな校庭に避難しました。震度5くらいだったのですが、これまで経験したことが無いくらい、大きくて長い揺れでした。3月の校庭は寒いし、そのあと何度も大きな余震が続いたので、中には不安で泣いている子もいました。最後の児童を保護者に引き渡したのは夜の21時過ぎでした。そして多摩川沿いを自転車で帰ろうと思ったら、サイクリングロードは歩いて帰宅する人であふれかえっていました。電車も止まり、道路は大渋滞で、携帯電話も全く使えず、人々は学校や会社から何時間もかけて歩いて帰るしかなかったのです。地震の震源から遠い東京でもこれほどの混乱があったのですが、東北地方、それも海沿いに住む人々は、地震と津波によって壊滅的な被害を受けました。一昨年の秋に、校長先生は宮城県の被災地を調査のために回りました。行く先々でお話を伺う中で、いまだに人々の心には深い傷があることを感じました。「いのちの日」に合わせて、テレビや新聞では様々な特集が組まれていると思います。ぜひ、この大きな災害について知り、自分だったら命を守るために何ができるか、しっかり考えてください。校長室の前に東日本大震災についての展示を行います。ぜひ、見て、学んで、考えてください。