戦争体験を語り継ぐ
- 公開日
- 2023/01/27
- 更新日
- 2023/01/27
今日のできごと
『ちょっと皆さん、目をつぶってください。そして、何も無くなった様子を想像してみてください。』
1月27日(金)5校時、4階の多目的室では、講師の方が6年生にこう語りかけます。空襲で焼け野原になった今から77年前の八王子。その頃小学4年生だった串田玲子氏が、自身が経験し、潜り抜けた戦禍について語っています。
『爆音がして見上げると、1機の飛行機。たった1機なのに、空一面を覆うかのようです。それほど低空飛行をしていました。機から、撒かれたビラ。そこには、怖いことが書かれていました。』
『焼夷弾や照明弾が落とされて、夜なのに辺りはとても明るいです。そして、木だけでなく、全ての物が燃えてしまいました。』
『私たちは寝るところがなく、家も、布団もありません。皆、防空壕に入っていました。』
6年生はその間、黙ってメモを取る6年生。時折、講師の顔を見上げては、再びメモに戻りました。
串田氏が30分ほど話すと、担任から質問があればと問い掛けます。すると、次のような応答がありました。
「焼け野原になった町を見て、どう思いましたか。」
『何もなくなっちゃった。途方に暮れてしまいました。』
「戦争が終わって、どう思いましたか。」
『ああっ、逃げなくてすむと思いました。』
串田氏は、学習のまとめの際、こう6年生に語りました。
「戦争があったことを知っておくと、何かの時、役に立つと思います。戦争があり、復興があり、そして、今があります。私たちは、その戦争を経験し、皆さんに語っています。皆さんは是非、誰かに『戦争というものがあった』ということを語り継いでほしいと思います。今日、帰ったら、おうちでも話してください。」
講師の言葉を聞き、子どもたちは、「はい」と返事をしていました。