学校日記

2月1日(火) 本日の授業風景

公開日
2011/02/01
更新日
2011/02/01

校長より

 2年生・国語の授業の様子です。 担当は、張元先生です。

 太宰 治の小説 「 走れメロス 」 を学習しています。
 今日は、物語の時間的な流れや、登場人物などの確認作業が中心でした。

 知っている人もいるかと思いますが、太宰治の友人であり、小説 「 火宅の人 」 などで知られる作家の檀一雄 ( だんかずお ) は、「 小説 太宰治 」 という作品の中で、太宰治が 「 走れメロス 」 を著すきっかけ?となった出来事を書いています。

 それによると檀一雄は、熱海の温泉旅館に行ったきり帰ってこない太宰を心配した奥さんから頼まれ、熱海まで様子を見に行ったのだそうです。
 友人の壇がやってくると太宰は大喜びで、一緒に帰るどころか連日のように壇を連れ回して二人で飲み歩きました。

 やがて、宿泊費も飲み代も尽きてしまったので、太宰は壇を 「 人質 」 として熱海に残し、自分は別の友人に借金をするため東京に戻ります。
 しかし、太宰がいつまでたっても戻ってこないため、壇は旅館と飲み屋に支払いを待ってくれるよう頼み込んで東京に向かうのです。

 何とか東京にたどり着き、別の友人宅で壇が目にしたものは、太宰がその友人とのんきに将棋を指している光景でした。 それを見て激怒した壇に、太宰はこう言ったそうです。 「 待つ身が辛いかね。 待たせる身が辛いかね。」

 ちなみに私が 「 走れメロス 」 で一番好きな箇所は、最後の 「 勇者は、ひどく赤面した。」 という一文です。 もし、本当に先の逸話がこの小説を書くきっかけだったのだとしたら、この一文にも深い意味が隠されているように思えてきます。

                                     校長 武田幸雄