職場体験の最終日
最後に終了の報告を受けたのは午後の6時頃でした。
遅くなった理由を班長に聞いてみると「子供たちと遊んでいました」
面倒見ていた子供と別れがたく、時間を忘れてしまったようです。
全員の職場体験が終了し、大きなトラブルの連絡もなくほっとしていました。
するとしばらくして1本の電話がかかってきました。
「2学年の先生はいらっしゃいますか? 職場体験を受け入れていた職場の者ですが。」
もしや苦情やトラブルか? という懸念が脳裏を横切りましたが、それは取り越し苦労でした。
「私は老人ホームのパート職員です。今回来てくれた生徒さんたちは最初は大丈夫かな、と心配していたんです。しかしとても良くやってくれたのでそれを伝えたくて電話しました。生徒さんたちには、最後の日に入所している皆さんに何かやって楽しませてほしい、と頼んだんです。生徒たちはその課題に対して自分たちなりに頑張って応えてくれました。中でも1人の男子中学生がこの暑い中、ギターを抱えてきて歌を披露してくれたんです。その生徒も最初は大丈夫かなー、と不安そうでしたが、一生懸命やれば熱意は伝わるからがんばりなさい、と励ましたんです。するとその生徒はまっすぐな素直な目でB’zを熱唱してくれたんです。とても盛り上がりました。その一生懸命さに感動して、ご老人だけでなく、私も含め職員たちも感動して涙ぐんでしまったんです。」
「学校は苦情を受けることも多いと思いますが、私は受け入れた職員として是非良いことも中学校の先生に知っておいてもらいたいと思い電話しました。」
35度の猛暑の中の職場体験はとても大変だったと思います。
職場を2年生の職員も手分けして回り様子を見てきました。
各職場の方にお話を聞くと、ほとんどの職場で「とてもよくやっていますよ」とお誉めの言葉を頂きました。
この3日間は普段の学校では絶対できない貴重な3日間でした。
このような機会を与え、面倒を見てくださった職場の方に感謝ですね。