学校日記

6月1日(火) 本日の授業風景 ・ その3

公開日
2010/06/01
更新日
2010/06/01

校長より

 3年生・数学(少人数)の授業の様子です。

 鈴木先生と天田先生のグループは 「 平方根 」 を ( 写真・上・中 )
 加藤先生のグループは 「 素因数分解 」 を学習しています。( 写真・下 )

 「 素因数分解 」 に出てくる 「 素数 」 とは、2・3・5・7・11 … などのように 「 1とその数自身の積の形でしか表せない自然数 」 のことです。

 第1回 「 本屋大賞 」 を受賞した 「 博士の愛した数式 」( 小川洋子 ) に出てくる数学博士は、この素数をこよなく愛していました。
 知り合いで仲良しの小学生に 「 数は無限にあるのだから、素数も無限にあるんでしょ? 」 といった内容の質問をされて、博士は次のように答えます。

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 「 でも、100をすぎて一万、百万、千万、と大きくなると、素数が全然出てこない砂漠地帯に迷い込んでしまうこともあるんだよ。」

 「 砂漠? 」

 「 ああ。 行けども行けども素数の姿は見えてこない。 見渡すかぎり砂の海なんだ。 太陽は容赦なく照りつけ、喉はカラカラ、目はかすんで朦朧としている。 あっ、素数だ、と思って駆け寄ってみると、ただの蜃気楼。 手をのばしても、つかめるのは熱風だけだ。 それでもあきらめずに一歩一歩進んでゆく。 地平線の向こうに、澄んだ水をたたえた、素数という名のオアシスが見えてくるまで、あきらめずにね。」

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 「 素数 」 や 「 因数 」 「 素因数 」 さらには 「 素因数分解 」 などと言われるといかにも難しそうなイメージがありますが、この博士のようにロマンティックな表現をしてもらえると、不思議な魅力を感じられますね。
                                      校長 武田幸雄