下柚木小の窓から【9月7日その2】

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[放送朝会 校長講話]みなさんおはようございます。2学期が始まってから1週間とちょっと経ちました。元気に過ごせていますか。なかなか今年の夏は日中の暑さが収まらず、過ごしにくい日々が続いていますが、しっかりと睡眠をとり、しっかりと水分をとり、規則正しい生活をしながら乗り切っていきましょう。これでも朝夕は少し涼しさを感じられるようになってきました。夕方うす暗くなるのも以前より早まってきています。季節は進んでいます。もうしばらくの我慢だと思います。
さて、今日は9月21日(月)から30日(水)まで行われる「秋の全国交通安全運動」についてお話をします。2週間後のことですが、来週は縦割り班の活動があります。再来週は月曜日が祝日でお休みですので、今日お話ししますね。毎年、春と秋にはこうした全国交通安全運動があります。普段からみなさんは交通安全に気を付けていることと思いますが、期間中はなお一層気を付けて、事故にあわないようにしてくださいね。最終日の30日には日本全国で、交通事故で亡くなる人ゼロを目指す日になっています。1日くらいだったら簡単ではと思うかもしれませんね。でもそれは実は簡単なことではありません。昨年2019年に日本全国の交通事故で亡くなった人の数は、なんと3215人でした。1日当たり約9人が毎日交通事故で亡くなっていることになります。そう考えると、とても大きな数字です。
ふと、こんなことを思い出しました。それはもう15年近く前のことになります。校長先生が家族で沖縄の西表島(いりおもてじま)を旅行した時に、その島のバスガイドさんから聞いた話です。今はどうか分かりませんが、当時の西表島には信号機がたったの2機しかありませんでした。そのうちの1機は島の中心部、港のある南東地域にあり、もう1機は島の反対側、北側の小さな小学校の入口にありました。実際に校長先生もその信号機の前を車で通りましたが、どう見ても信号が必要な場所には見えませんでした。サトウキビ畑の中にぽつんと立った押しボタン式の信号機です。都会で見るものと同じものです。それはとても不思議な感じがしました。押しボタンが押されて、信号が赤になって、車が止まることはほとんどありません。なぜ交通量が少なく、誰でも自由に道路を横断しているこの場所にわざわざ信号と横断歩道が作られているのか。
答えは次のようなことでした。「この島の子供たちは交通事故にあうような環境にはない。しかし、将来島を離れてどこかの街に行った時に、信号があることとその使い方を思い出し、絶対に交通事故にあってほしくないから」島の学校関係者と地域の方々が協力して信号機を設置したとのことでした。子供たちに交通安全教室を行うための信号機だったのです。今だけではなく、将来にわたって子供たちの安全を心から願う島の人たちの思いを知り、校長先生はとても温かい気持ちになりました。本当に島の子供たちのことを大切に考えているのだなと思いました。みなさんは、この街にたくさんある信号機のひとつひとつに対して、そんなに気にも留めずに歩いたり、自転車に乗ったりしていることでしょう。赤信号の時は「待たされて嫌だな」くらいにしか感じないですよね。でも信号機は、みなさんを守る大切な役目を果たしてくれています。今度、信号を渡るときに、西表島の信号機のこと、ちょっと思い出してみてください。信号機に込められた思いを思い出してみてください。そして、信号をしっかり守って、絶対に事故にあわないようにしてくださいね。お話を終わります。

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