[全校朝会 校長講話(放送)]みなさんおはようございます。さて突然ですが、校長先生の右足のふくらはぎにはとっても大きな傷跡があります。小学校六年生の時に12針も縫った傷の跡です。もうずっとずっと昔の傷ですが、ちょうど今みたいに寒い季節になって肌が乾燥すると少しかゆくなったりします。なぜそんな傷ができたのかというと、6年生のある朝登校途中に、車道に転がってきた牛乳瓶を走ってきた車が踏みつぶした時に破裂してガラスが飛んできたのです。校長先生より前を歩いていた子が、遊びながら蹴っ飛ばして歩いていたのです。車がよく通る道です。「あぶないよ」と周りの子が注意したらしいのですが、止めなかったのです。もし牛乳瓶が車の方に転がっていったら、なんて考えずに自分が楽しければ良かったのですね。その蹴っ飛ばした瓶がたまたま車道に転がって、たまたま走ってきた車がそれを轢き、たまたま後ろを歩いていた校長先生の右足に当たったのです。そんなこともあるのです。夏の暑い季節でしたから短パンをはいていた足に直接当たったガラスはざっくりと深い傷をつくりました。その時はまだ痛く無かったのですが、急に足に力が入らなくなってしまい、その場にしゃがみこんでしまいました。その時の車の運転手さんが、気付いて先生を車に乗せ、自宅まで連れ帰りそのあと母親と一緒に病院まで運んでくれたのです。とても親切な人でした。入院はしませんでしたが、しばらく学校へは行けませんでした。今にして思えば、まだ足でよかったな、目や首元だったら大変なことだったなと思います。事故の晩自宅に、学校の校長先生や担任の先生たち何人もがお見舞いに来ました。そして牛乳瓶を蹴っ飛ばしていた一つ下の学年の男の子も母親と一緒に来ました。たぶんこんなことになると思わなかったのでしょうね。その子が謝る姿を今も覚えています。
ちょっとしたことでも自分が楽しければいいと思うことが、周りのことを気にしないでいることが、人に迷惑をかけてしまう、時には人を傷つけてしまうことがあります。自己中心なんて言い方もします。みなさんも毎日の行動の中にそんなことはありませんか。ルールを守れなくて、周りの人に迷惑をかけている人いませんか。学校の中だけではありませんよ。ボール遊びをしてはいけない公園でサッカーしたりしていませんか。小さい子が遊んでいるすぐ横を自転車で走り回ったりしていませんか。全速力で走っている自転車が小さな子に当たったら校長先生の足の傷くらいでは済まないことになります。ちょっとしたいたずらが思わぬ大きな事故になることだってありますからね。
人間は一人ではなく、たくさんの人と一緒に生きていきます。みんなが安心して生きていくためには周りのことを気にする気持ちが大切です。注意されるから、してはいけないのではなく、人の迷惑にならないように考えて行動することが大切です。周りの人のことを気遣う気持ちが大切です。今日は周りに迷惑をかけないようにするというお話をしました。下柚木小学校のみなさんならできるはずです。お話を終わります。