2020年 5月27日(水) 今日のひとこと 皆川先生から

6月から、プロ野球が開幕するとのこと。しかし、当面は無観客だそうです。
この「無観客」という言葉、この数か月でずいぶん普及しましたね。
スポーツだけでなく、コンサートや演劇、テレビ番組も、軒並み無観客で行われました。

観客がいない分、見るべき試合や演目に集中できる良さはあるものの、やはり選手と観客、演者と観客が生み出す熱狂があるはずもなく、やはりどこか寂しいものであることは否めません。

むかし、落語のCDを好んで聞いていた時期がありました。
「落語をCDで聞いて面白いの?」と思う方も多いでしょうが、話芸を極めた名人上手は、声だけでもじゅうぶん楽しめるのです。

枕元で、ごく小さな音量で落語を流しながら、とろとろと眠りにつく…などというのはまさに至福の瞬間です。寝つきが良くない人もぐっすり眠れること請け合いです。

心地よい眠りに誘ってくれるのは、もちろん噺家(はなしか)の話芸とか、人間的な魅力なのでしょう。でもそれだけではありません。
実は、いちばん大事なものは、会場にひびく「観客の笑い声」ではないかな、と思います。

「昭和の名人」と言われるような噺家の録音は、私が生まれるずっと前のものも多く、噺(はなし)の中には難しい言葉もいくつかあるのが正直なところです。

それでも、「昭和のお客さん」が笑っているのと同じ落語を、「令和に生きる私」も笑っている。昭和のお客さんたちも、若い人やお年寄り、元気な人や落ち込んでいる人…いろいろな人がいたはずです。その人たちが、落語を聞いているうちにすっかりいい気分になってホールを出ていったのかな…などと考えていると、自分もそのお客さんたちと同じ気持ちになります。時代をこえて、笑いを共有できることが、素敵だと思いませんか。

さて、先週からこの学校に3年生が登校してきて、来週には全学年が登校する予定です。
もちろん、「演者と観客」と「教員と生徒」は同じ関係ではないと思いますが、生徒のいない学校には、「観客のいないホール」のような物足りなさがあることを、この数か月で痛感しました。

今はただ、校舎中が生徒の笑い声であふれ、学校が本来の姿に戻りつつあることを喜びたいと思います。

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