2020年3月9日(月) 今日のひとこと 皆川先生から
おはようございます。
生徒に授業をするのが教師の仕事だと思っていたので、先週は自分の存在意義がゆらぐような一週間でした。 ただ、毎日日が沈む前に家に帰ることができたのはとても嬉しく、3歳になったばかりの息子とおしゃべりをして、一緒にテレビを見て、図鑑を見て、歌を歌って、ごはんを食べて…そういう時間をいつも以上に持てたことは幸せなことでした。 近頃、ネットで、シリアの父と娘の動画が話題になっていますね。 父親が娘に「爆弾の音がしたら笑うゲームをしよう」というのです。爆音がするたびに、娘がキャッキャッと声を上げて笑う映像は、一瞬にして世界の人々が知るところとなりました。 これを、コロナ騒ぎに疲弊した世界に届いた「ちょっといい話」みたいな扱いにとどめてはいけないと思います。 笑う娘と一緒におどけてみせるお父さんの胸の内に、終わりの見えない戦争への焦りや怒りのようなものを感じるのは私だけではないはずです。お父さんは、愛する娘のために、煮えたぎる怒りを腹の底にしずめて、必死の思いで、おどけているのではないでしょうか。 『ユーモアって、どうにもならない状況に対して、唯一できること』。 歌手の宇多田ヒカルさんが言ったこのことばと、シリアのお父さんのおどけた顔が、つながりました。 いつか巣立っていく子どもに、大人の私が教えてやれることは、これなのかもしれません。 ピンチの時には、笑おう! |