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「心の扉」にノック!?
校 長 佐藤 晴実
「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」とは上手いことを言うもので、瞬く間に3月を迎え、本年度も残すところ1ヶ月弱となりました。
さて、11月号、12月号、そして、1月号の学校だよりには外部評価、内部評価(学校評価)を掲載させていただきましたが、地域や社会を含め、中学生を取り巻く課題を俯瞰(ふかん)(全体を上から眺める)しますと、「心の問題」が最も大きな問題ではないかと思いますし、社会問題になっているいじめ問題は、「心の問題」を氷山とすれば、その一角に過ぎないと思います。
自分と異質な存在を許容できない、相手の痛みを共感できない、また、傷つき易く、自分を追い込んでしまうなどの傾向を見ていますと、少子化・核家族化の傾向が進み、家の中でも、また外の世界でも子ども中心のぬくぬくとした環境が与えられ、子どもという、元来我が儘な存在(人は幼い頃は、自分を中心に放射型の人間関係しか理解できません。いわば自分中心です。これが様々な経験を通して、社会性を身に付け、格子状の人間関係の中に自他を置いて客観的に理解できる様になるわけです。)を社会的に陶冶(とうや)(人の性質や能力を円満に育て上げる。躾ける・鍛える)する力、この大切な力を失いかけてきていると思います。
学校は、「親が…、社会が…、」と嘆いていても始まりません。様々な行事の中では、どのような手立てをすれば真の協力や友情を学べるか、全校・学年集会などでは、学級指導などの他の活動と関連させ、子どもが変容するまで根気よく指導しきるにはどのように取り組んだら良いか、授業の中では、互いに尊重し合うことの大切さを気付かせるために、どのようなことに心掛ければよいか、道徳の時間では、どのような題材が子どもの心を掴むのか、その他生徒会活動、部活動などあらゆる場面で現在の活動を振り返り、学校を挙げて取り組んで行くことが必要であると考えています。
全ての子どもが、「心の扉」へのノックに笑顔で応えることができるようになるまで、辛抱強くノックし続けること、これが私達に課せられた最大の課題であると思います。
しかし、ご家庭のご理解、そしてご協力がなければこの課題の解決は極めて困難です。学校は、ご家庭、そして地域に対しての発信力を更に高め(勿論アンテナを高め)て行かなければならないと考えています。
最後になりましたが、この一年間、保護者の皆様には横川中学校の教育活動へのご理解、ご協力、誠にありがとうございました。お陰様をもちまして、大きな成果を上げつつ順調に教育活動を終える見通しがつきました。心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。