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夏休みは“家庭でのコミュニケーション”を楽しもう!
校 長 佐藤 晴実
最近、“コミュニケーション”という言葉をよく耳や目にすることがあります。コミュニケーション一それは社会において、人がお互いの考えや気持ちをことば
や文字、身振りなどを使って相手に伝え合うことです。
学生が教室の入口で、読み取り機に携帯電話をかざすと出席が登録される大学や、出勤してパソコンに入力すれば、出勤が登録される会社もあるそうです。
ある意味便利だとは思いますが、そこでは、お互いが顔を見て声をかけたりかけられたりする、人と人との触れ合う場面がなくなっていることが気にかかります。
IT化の進む現代社会において、私達は便利さを手に入れることで、気づかないうちに人間として大切なものを失っているのではないかと不安になります。
実際、自分の気持ちや考えを上手く相手に伝えられない若者が増えているといわれます。
最近、携帯電話で直接やりとりする子どもが多くなりましたが、保護者は子どもが誰と何を話しているのか分かりません。
家庭の電話であれば、かけた相手の保護者や家族が出たときの挨拶や敬語など相手に応じた話し方というものを自然に身につけてことができていました。
そこから会話のもとになるものが見つかり、子どもとの話が広がって行くようなこともありました。
もう、昔の状態に戻ることはできませんが、だからこそ少なくとも家庭の中においては、顔と顔を、目と目を合わせて話す機会や場を多く作ることが大切だと思います。
先日、ある卒業生の保護者から次の様な話しを伺いました。
「子どもが中学から高校・大学の頃は、話しかけても簡単な返事が返ってくるだけで会話が成り立たなかったことを心配していた。それでも諦めることなく話しかけることを続けていると、だんだんお互いに気持ちが分かる会話ができるようになった。大きくなっても話しかけて行くことで、子どもは変わるものだ。」と。
その家庭は、子どもとの会話を小さい時から大切にしていたので、その基盤が子どもの心の中に作られていたからではないか、と推測されます。
いよいよ、明日から42日間という長い休みに入ります。
その家庭、その家庭での話題や、その時々の学校或いは社会の流れに合わせて話の「タネ」は尽きないものです。
この夏休みはぜひ、“家庭でのコミュニケーション”を大いに楽しんで欲しいと思います。