平成22年5月号   学 校 だ よ り     八王子市立横川中学校
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    自然を愛する生徒に・・・
 
                            副校長   香川 雅子
 
 下校時間、校地内を回っていますと、 校舎西側の非常階段の下に男子生徒がいました。隅の方で何か探しているようでしたので、「何をしているの?」と声をかけました。「先生、タラの芽があるので、採ってもいいですか。」と生徒が私に問い返してきました。よく見ますと、確かにそこには、1メートルを少し超えた高さのタラの木が1本あり、小さな芽をつけていました。普段、私は校舎周辺を見回りますが、非常階段の隅と校舎の壁の間にあって、ひっそりと目立たないその木は、いつもなんとなく通り過ぎて見過ごしてきた木でした。生徒は、タラの芽を見つけたので、採って自宅へ持ち帰り、お母さんに天ぷらにしてもらうのだと私に言いました。「いいですよ。持ち帰って、今夜のおかずにしてもらってね。」と応えると、生徒は嬉しそうな表情でタラの芽を摘んでいました。よく聞きますと、すでにこれまでも花壇の隅に生えていたつくしを見つけ、摘んで家庭に持ち帰り、それは「おひたし」にしてもらったのだと・・・・・。後日、その生徒のお母さんが学校に用事で見えた時、この話をしました。生徒が摘んだタラの芽やつくしは、早速、家庭の食卓に上がり、ご家族のみなさんで召し上がったそうです。「つくしのおひたしやタラの芽の天ぷらなど、最近のお子さんはあまり食べないと思いますが・・・。」「うちの子はよく食べますよ。たくさんもらって帰って来ました。」
 最近は、身近に自然の食材を見つけることや、家庭でそれを食すことが少なくなってきています。私は、生徒が身近な自然に目を向け、自然を愛する心をもっていること、そして、家庭でもご家族のみなさんが同じ思いをもってくださることを嬉しく思いました。
 本校では、これから体育館前に梅の実が、秋には、校庭東側に銀杏がたくさん実ります。地域の方から、「梅干しにしたいのですが。」「銀杏をいただきたいのですが。」・・・と申し出られ本校にお越しくださり、持ち帰られることもあります。また、体育館前の柚は、11月の地域清掃で、PTA・青少対、育成指導員の方々が振る舞ってくださる豚汁の具材にも使われます。校地内では、四季折々花が咲き、実がなります。今は、ハナミズキやドウダンツツジの薄いピンクや白の色彩が美しく、こぼれ種から増えたポピーは、オレンジの花びらがそよ風に揺れています。今月はツツジやサツキの濃いピンクが、また、体育祭の頃には、見事な藤が観られることでしょう。
 先月には、青少対、八老連の方々が造って下さった花壇に、レディクリエイト部が苗を植えました。苗植えをしていますと、他の部活動の生徒や、下校する生徒も手伝ってくれました。本校の自然環境は大変恵まれています。このすばらしい自然環境のもとで、自然を愛し、美しいものに感動する豊かな心をもち、思いやりのある生徒に育ってほしいと願っています。