1月18日(火) 本日の授業風景
- 公開日
- 2011/01/18
- 更新日
- 2011/01/18
校長より
3年生・国語の授業の様子です。 担当は、平野先生です。
漢字の練習をした後、高村光太郎の詩 「 レモン哀歌 」 を学習しています。
音読の練習では、全員で一斉に読んだり ( 群読 )、席順に読んだり、男女交互に読んだりと、さまざまな手法を取り入れていました。
光太郎の詩集 「 智恵子抄 」 に収められているこの詩は、ご存じのように妻・智恵子の臨終の様子を詠んだものです。
統合失調症が治らないまま死出の旅立ちを迎えようとしている智恵子に、光太郎は好きだったレモンを手渡します。 そのレモンを 「 がりりと噛んだ 」 智恵子は、死の間際のほんの一瞬だけ往年の智恵子に戻るのです。
「 かういふ命の瀬戸際に 智恵子はもとの智恵子となり 生涯の愛を一瞬にかたむけた 」
平野先生の 「『 生涯の愛を一瞬にかたむけた 』 のは、誰ですか? 」 との質問に、数名 「 光太郎 ( 作者 )」 と答えてしまい間違えました。 確かに、正解は 「 智恵子 」 です。
しかし、私は思うのです。
「( 智恵子が ) 生涯の愛を一瞬にかたむけた 」 と感じたのは光太郎自身であり、そのように感じることのできた光太郎もまた、この瞬間 智恵子に生涯の愛をかたむけていたのではないかと。
その解釈が正しいかどうかは別として、優れた詩は奥行きが深いものです。
校長 武田幸雄