ピアノと紅白幕1年生から5年生まで、みんなで呼びかけや歌を卒業生に贈ります。卒業生の保護者の方も、我が子の成長過程を重ね合わせていたのではないでしょうか。教育の原点を感じるひとコマでした。 本校のピアノは『K.KAWAI』No.600シリーズで、年季が入っています。鍵盤は象牙貼りで【写真中】、当時ぜいたく品に課税されていた、物品税のシール【写真下】も貼られています。教育用は免税だったようです。 紅白幕のひとつには「九十周年記念」と書かれており、50年以上も大切に使われていることに驚きます。恩方第二小学校に1年生を迎え、6年生を送り出す…ピアノと幕はずっと見守り続けています。 日本初ノーベル賞! 古い本その3『世界にほこる 湯川秀樹』共に京都で学び、後にノーベル賞をもらった朝永振一郎博士と、原子力の平和利用を訴え、核兵器廃絶のために尽くしました。 【写真上】二色刷りの扉はいかにもレトロな感じ、口絵の写真はセピア色です。模写は似ていませんが、まだ40代で若々しい姿です。 【写真下】本の見返しの印から、おそらく昭和26年度の六年生が卒業記念として寄贈したことが分かります。学校の受け入れ印が逆さですが…。 偕成社・偉人物語文庫の16冊目でした。「ノーベル」「アインスタイン」もラインナップされています。 『世界にほこる 湯川秀樹』沢田謙著 偕成社 昭和26年11月15日発行 定価160円(地方価165円)※現在に直すと1200円位 “桑港”ってどこ? 古い本その2『平和の象徴・国連』表紙に「附 桑港講和会議」とあり、紙箱に入った図鑑のような立派な本です。先の大戦終結のため日本と連合国との会議が行われ、これにより日本は主権を回復し、国際社会に返り咲きました。記念に各校に配られた本かもしれません。 目次は平和の象徴・ハトが舞うイラストで、国連の使命、機構、活動などが並んでいます。 続いて民族衣装や産業、観光名所や史跡など、当時の加盟60か国の様子が白黒写真で紹介されています。例えばオーストラリアはたくさんの羊、シドニー港のヨットレース、そしてカンガルーなどが出ています。アメリカはニューヨークの夜景、ヘリコプターでの農薬散布、そして核実験のきのこ雲が…。 本校でもユニセフ募金を行いましたが、UNICEF(国連国際児童緊急基金)は第1回国連総会で作られたそうです。 【イラスト左】表紙は国連のシンボルカラーのライトブルーで、旧字体の文字と国連ビルの図は金箔押しです。 【イラスト右】説明文は「オーストラリヤの象徴をなす人なつっこい野生カンガール」 『平和の象徴・国連』讀売新聞社出版局 昭和26年8月5日発行 1500円 本の扉と奥付は新字体でした。 |