「一生懸命がんばる」「人を思いやる」学校生活を紹介します。

0430校長一日一話

校長 一日一話
 皆さんに伝えたいこと、感じたことやこれからのことを臨時休業の期間中、毎日一話ずつご紹介していきます。

4月30日 拾った人だけがわかるんじゃよ
 この言葉は、実話をベースとした日本初の「そうじ小説」である
 『なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?』(志賀内泰弘さん著)の中で、主人公が掃除をするきっかけとなった老人から言われる言葉です。
今日は 「そうじ小説」である『なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?』を紹介します。

 主人公 圭介は、とあるサラリーマン。公園で「ゴミ拾いをする老人」と出会い、「どうしてゴミを拾っているのか、拾うと何かよいことがあるのか?」と尋ね、「拾った人だけがわかるんじゃよ」と言われることから、この物語ははじまります。
 その後、あることをきっかけに、主人公も始業前に、「事務所前のそうじ」をはじめることになります。しばらくすると、その影響を受けた同僚や部下の人たちなど会社の人全員が、主人公に協力して、そうじをはじめるようになります。
 そして、そうじをみんなでやるようになったことを境に、いろいろな変化が表れるようになります。営業活動ができなかった部下が注文をとれるようになったり、職場の雰囲気や売り上げがどんどん良くなっていくのです。
 主人公も、「そうじをすると売上が上がるのか? お金が手に入るのか? 得をするのか?」ということを考えて、最初はそうじを始めました。
 しかし、その頃には、別にそんなことはどうでもよくなってきます。そうじをするのが気持ちよくなってしまい、得とか損とか関係なく、そうじをやめようとは、まったく思わなくなってしまっているのです。そして、主人公は気づきます。
 「そうじはみんなでやっているけど、やり方はそれぞれバラバラだ。窓を一生懸命に拭く人。隅っこを徹底的にキレイにする人。同じ場所を何回も掃く人。でも、みんなそれぞれが、どうしたら早くキレイになるか考えながらそうじしているはずなんだ。誰でも時間をムダにしたくはないからな。その中で、打ち合わせなんてしないからわからないけど、一人ひとりが何か変った気がする。」
 最初は「ただ、そうじをしていただけ」だったが、何かが変わりはじめていると考えます。
 その後、公園でそうじをしていた老人から、次のような話を聞きます。

 「ワシは昔な、ホテルのレストランでウエイターをやっておったことがあった。」
 老人は遠くの空を仰ぎ見ながら話し始めた。
 「ある夏の暑い日のことじゃった。1人の紳士が汗を拭き拭き入ってきた。それを見たワシはすかさず、エアコンの風が当たる席に案内した。えらく喜んでくれてな。チップまでくれたんじゃ、それもかなり多く」
 「はい…」
 圭介は、一瞬で、老人の昔話に引き込まれた。
「それから数日後にまた、その紳士はやってきた。前のことが頭にあって、迷わずエアコンの前の席へと案内をしたんじゃ。するとな、『バカモン!』と怒られた。なぜじゃと思うかな」
 「……」
 「その日も確かに暑い日じゃったが、紳士は汗1つかいておらなんだ。なぜなら、ホテルの玄関までハイヤーで乗りつけたからじゃった。叱りつけられた後で、その紳士はまだ若造だったワシに教えてくれた……。『仕事とは気づき』じゃとな。『気づきをたくさんするためには、そうじをしなさい』と言われたのじゃ。それでワシはそうじを始めた。早く出勤して開店前のレストランを嘗めるようにそうじした」
 「そのうち、何だかわからんがな…、今まで見えなかったものが見えてくるようになったんじゃ。お前さんの好きな理屈で言うとこういうことじゃ。そうじというのは、汚い所をキレイにするということじゃ。まず、汚い所を探すことが習慣になる。ウエイターの仕事をしていても、四六時中、フロアに何かゴミが落ちていないか気遣うようになったんだな。そのおかげで、お客様の忘れ物や落し物を何度見つけたことか。お客様が店を出る寸前に声をかけて渡すと、非常に感謝された。そして、もちろん、さっきのような過ちはせんようになった。お客様が何を欲しておられるか、何を望んでおられるか、声をかけられる前に『考えて気づく』というクセが身についたんじゃ。もちろん、何年も、何年もかかったな、これには…」
 そうじをする。そうじをすると、汚い所に気づくようになる。その「気づき」は、日頃の仕事の気づきにも生かされる。すると、お客様が自分のファンになってくれる。仕事が増える。これが会社全体で行われれば、会社の売上が上がることになる。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざと同じだよ。
 おぉ、そうだ。1つ言い忘れておった。忠告しておくがな、実は、そういうわけで、そうじをすると売上が上がるんじゃよ。だがな、問題はそこにある。『売上が上がるから拾おうとか、お金が手に入るから拾おう』と思ったとたん、売上が上がらなくなる。これがまた不思議でな。このカラクリは、ワシもいまだにわからん。ワッハハハ」
 「拾った人だけがわかるんじゃよ」
 なぜ「そうじ」をすると人生が変わってしまうのか? それは…、
   「ゴミを1つ拾う者は、大切な何かを1つ拾っている」からなのです。     …続

 今、企業では、始業前に全員で自主的に掃除をするところが増えているそうです。川口中でも、「み・そ・あ・じ・は」の合言葉の一つ、「そうじ」を全員清掃で取り組んでいます。その時に、皆さんは、どんなことに気がつき、どんなことを経験することができるのでしょうか。
明るいあいさつをお互いにすることが良い雰囲気、人間関係を作り、きれいな学校の思いが生徒全員の意識を高め、細かな異変や間違いも見落とさない生活につながっているのだと思います。

今日のパワーフレーズ
「実力の差は小さい。努力の差は大きい。」
何歳になっても、努力を続けることは大切です。

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