10月30日全校朝会「平和について考える」
とても穏やかな、過ごしやすい天気が続いています。先週末は上柚木公園へ全校遠足に行きました。豊かな自然の中で、縦割り班やクラスに分かれてみんなで遊ぶ。運動会に続いて南大沢小学校の素敵な姿とたくさんの笑顔を見ることができて、とても幸せな気持ちになりました。「平和だなあ」と思いました。でも、「ちょっと待てよ」と思います。本当に世の中は「平和」なんでしょうか。
世の中、世界に目を向けてみましょう。10月7日。皆さんにとって大切な運動会のあの日、中東のイスラエル、パレスチナの間で紛争が勃発しました。以来連日、爆弾が投下され何百人が亡くなった、住む場所を失った、病院や学校が爆撃された…という痛ましいニュースが報道されています。さらにその前、昨年の2月から、ウクライナとロシアの戦争がずっと続いています。この図を見てください。皆さんも聞いたことのあるユニセフが作成した、2021年末時点での世界で起きている人道危機の地図です。赤いところ、国や地域では、国と国、あるいは国の中で様々な紛争、暴力が起き、人々の人権が踏みにじられているのです。そしてそのほとんどは2年たった現在、解決するどころか増えている。毎日数えきれないほどたくさんの人が亡くなり、傷つき、食べ物や住むところすら手に入らない、明日への希望をもてない毎日が続いているのです。皆さんが見上げる空のその先では、毎日ミサイルが飛び交い人が亡くなっているのです。 もっと身近な話ではどうでしょうか。大人の身勝手な振る舞いで子供の命が危険にさらされる「児童虐待」。これは厚生労働省が作成した児童虐待に関する相談件数のグラフです。一番右が令和3年度ですが、年を追うごとに増えているのがわかります。叩かれたり、食事をもらえなかったり、勉強させてもらえずに家の仕事をすべて押し付けられていたり…。「日本だけは別」ではなく、私たちが暮らしているこの日常だって、決して手放しで「平和」だとは言えないのです。 「平和」とは何なのか、辞書で調べてみると、「1 やすらかにやわらぐこと。おだやかで変りのないこと。2 戦争がなくて世が安穏であること。」(広辞苑)と書かれています。そしてみんなが学校に通い、毎日勉強している究極の目標は、そんな「平和な世の中を創ること」です。それは、「教育基本法」という法律にもしっかりと明記されています。 じゃあ、一体何をしたらいいのでしょう。テレビの画面を見て「かわいそう」「ひどい」「平和な日本でよかった」…いろいろなことを感じることと思います。でも、ぜひともそこから一歩踏み出して、「自分に何ができるのか」考えてみてください。なぜなら、平和は勝手にやってくるのではなく、一人一人の心の中に生まれたものが合わさってできるからです。だれかが「自分だけよければいい」「ほかの人のことなんてどうでもいい」と行動していたら、「絶対に」平和は訪れないのです。「自分だけよければ」の反対は「ほかの人の幸せを願う」ということでしょうか。ニュースや新聞をしっかり見て考える、もよいでしょう。世界地図を眺めたり、募金をしたりすることだってできる…でも、大切なのは一度きりではなく続けていくことです。いじめに気が付いたら勇気をもって止める、困っている友達がいたら優しく声をかける、できる範囲で家の仕事を手伝う、地域の人に元気な挨拶をすることだって、立派な「ほかの人のため」につながる行動です。世界中の人が「自分と、そしてほかの人の幸せ」を考えて暮らしていったら、きっと「平和な世の中」が実現するはずです。今朝は「平和」について考えるお話でした。 10月の避難訓練から
今日の訓練は「火災」でした。「火事」とも言いますね。皆さんは放送を聞き、落ち着いて行動することができたと思います。それでは、ちょっと聞いてみます。今日の火災はどこから起きたのでしょうか。(理科室)そうですね。それでは理科室はどこにありますか?(3階の一番端っこ)「はじっこ」では左右両方ありますね。「西側」「小山内裏公園の方」「音楽室の方」などの説明が必要な時もあります。なぜか。それは火事が起こったら、「火元」と言われる出火場所からなるべく遠くに逃げることが大切だからです。間違って火元に近づいてしまい、煙に巻かれてしまうと助からない、と言うことすらあるのです。だから、どこから火事が起こったのか、これはとても大切なことなのですね。そして、「理科室」で火事が起こるのはなぜですか?(ガスの線があるから、薬品があるから…)そう。他にも学校には火事後切る可能性のある場所があります。「家庭科室」「給食調理室」「職員室」これらの部屋には、ガス管が通っていて、火を使う機会が多くあります。そのため、燃えやすい場所、ということになるのです。皆さんが自分の命を守るためには、この学校のどこで火事が起きやすいのか、これを知っておくことが大切です。でも、他にも可能性はあるのです。例えば教室の水槽などで使っているモーターも電源に水がかかったり、ショートしたりすると火が出る恐れがあります。しっかりと覚えておきましょう。また、火事が起きたとき、火が広がらないようにするための工夫があります。これは先生たちがすることなので、皆さんはしっかりと逃げる準備をすることが大切ですが、「窓を閉める」これも大切なのです。火事で火が勢い良くなるためには「酸素」つまり「空気」が必要です。窓が開いていると、その空気によって火がどんどん大きくなってしまうのです。だから火事の時は窓を閉めることが大切なんですね。
さて、そうは言ったって、火事なんて起きないよ。と思っている人もいるかもしれません。この写真を見てください。これは先週の木曜日10月12日、愛知県で起こった火事です。学校の図工室が焼けてしまいました。そしてこの写真は2016年、今から7年前に、相模原市にある小学校が全焼してしまいました。この建物は文化財になるほど地域の皆さんにとっても大切な校舎だったそうです。 地震はいつ起こるか分かりませんが、火事は日ごろの心がけや注意によって防ぐことができます。教室でしっかり担任の先生から話を聞きましょう。 10月16日 朝会講話「新しい伝統」さて、先日、運動会が終わりました。この大きな行事を成功させるために、5年生6年生は、スローガンを発表した代表委員会をはじめ、放送、審判、装飾、ライン用具準備、得点、進行、応援団などの係に分かれ、時間をかけて準備をしてきました。一人一人が自分のするべき役割を自覚し、精一杯頑張った、そんな力が結集して、初めてあの素敵な一日が生まれたのです。また、今回は123年生、456年生に分かれて、ダンス、表現種目に挑戦しました。ここで目指したのは、南大沢小学校の新しい伝統です。上級生が下級生の面倒を見て、リーダーシップを発揮する。正直「僕らの八王子」も「ソーラン節」も、今回初めて取り組んだ演目だったので、スタートは全員横一線です。だから「教える立場」の3年生、6年生は特に大変だったことでしょう。「教える」ために必死に「覚え」なければいけなかった。家で動画を見ながら研究した人もいたのではないでしょうか。「自分が踊れるようになった」喜びに、「教えた下級生が立派に踊れている」という喜びが重なって、見ている人の心を打つ表現が完成しました。3年生、6年生は「リーダー」という役割をしっかり果たしてくれました。「自分が動けば何かが変わる、仲間と動けば何かができる」を見事に実践してみせました。南大沢小学校は小さな学校です。でも、だからこそできることがあります。「先生や大人に教えてもらうのを黙って待つ」のではなく、1年生から6年生まで一人一人が顔と名前を覚え、子どもたち同士が「協力し、教え合い、高め合う」、そんな伝統が根付いたら、南大沢小学校の子ども達は、他のどんな学校にも負けない大きな力を身に着けることができます。来週は全校遠足も控えています。縦割り班のチームワークを発揮して、もう一段高い階段に登っていきましょう。 運動会、ありがとうございました!(開会式、閉会式挨拶)【運動会 開会式挨拶】 みなさん、おはようございます。さわやかな秋の空が広がっています。運動会の日がやってきました。1年生から6年生まで、全校児童100人に満たない小さな学校ですが、どんな学校にも負けない大きな心意気で今日一日を盛り上げてください。今日の日のために、皆さんは毎日心と体の準備を重ねてきました。そんな成果を力いっぱい発揮してください。そんな皆さんの活躍を願って、家族の皆さん、地域の皆さん、学校の先生や職員の皆さんも、日々心を砕き、祈るような気持ちで見守ってきました。9月には「走り方教室」として、南大沢中学校の陸上部の皆さんが文字通り「駆けつけて」、どうしたらかけっこで速く走れるか、たくさんのヒントをくれました。「足を高く、腕をしっかり振って、つま先で走る」でしたね。ぜひ、実践してみてください。給食では「もったいないウィーク」としてみんながお腹いっぱい残さず食べられるようにと、子供たちに大人気のメニューを連日提供してくださいました。みんなの体の中にはエネルギーがいっぱいに詰まっています。そして今こそ、南大沢小学校の大切な目標である「仲良く元気で頑張る子」の姿を見せてください。「すべての子供が笑顔になる学校」を実現してください。それがみなさんを見守るたくさんの方々への恩返しにもなります。 さて、保護者の皆さま、地域の皆さま、本日はご多用のところ、南大沢小学校の運動会にお越しいただきありがとうございます。今年は例年にない猛暑が9月の末まで続き、体育の授業はおろか、外遊びすらできない、という日々が続いていました。一糸乱れぬ完成度、という意味ではあるいは皆様のご期待に沿えないこともあるかもしれません。しかし、子供たちは今日という晴れの舞台を目標に練習を重ねてきました。123年生、456年生が縦割りグループとなり、上級生が下級生に踊りを教える、という新しい取組にも挑戦してきました。自分のことだけでなく、他の学年にも気を配り、力を合わせて頑張ってきました。子供たちの一生懸命な姿に大きな拍手と声援をお願いします。 【運動会 閉会式挨拶】 みなさん、運動会が終わります。優勝した赤組のみなさん、おめでとう。そして惜しくも準優勝だった白組のみなさん、皆さんの頑張りに感動しました。嬉しさも悔しさも、必ず素敵な思い出になります。明日からのエネルギーになります。校長先生は今日一日、たくさんの笑顔が見られて、本当に幸せでした。 さて、つい2年前にはここ東京でオリンピックがあり、そして今、海の向こうの中国ではアジア大会の熱戦が続いています。テレビで見ながら、手に汗握って応援していてふと気が付きました。試合が終わった後、選手たちが相手チームの選手と握手やハイタッチをしている競技が多いのです。表彰台では、一番高い1位の台にみんなが乗って、肩を組んで満面の笑顔で写真を撮っているのです。絶対に負けたくなかったライバルと闘い、競い合い、そして最後は試合をする前よりも仲良くなっているのです。一体何のためにスポーツをするのか。それは、仲良くなるため、幸せになるためなんだ、と改めて気が付きました。その意味で、今日の運動会が南大沢小学校の子供たちが一層仲良く、幸せになる記念の日になったら何よりです。 保護者の皆様、地域の皆様、子供たちの活躍、いかがでしたか。身近な皆様のたくさんの声援と拍手がどれほど子供たちを勇気づけたか分かりません。改めて御礼申し上げます。そしてこれからも南大沢小学校の子供たちの1番のサポーターでいてくださいますようお願いいたします。 保護者の皆様に最後に一つ、お願いがあります。これは、我々教職員がやりたくても決してできないことなのです。それは、家に帰って、子供たちの頑張ったところを一つでも二つでも、しっかり褒めてください、ということです。かけっこでも、係活動でも、応援でも、頑張ったところをぜひ、褒めてあげてください。それこそが、皆様をお招きして運動会を行うことの意味だからです。よろしくお願いします。そして改めて本日はありがとうございました。 |