校長あいさつ

八重桜

 入学を待っていたかのような桜吹雪と春らしい暖かい日差しの中、2年生から6年生までの進級と新1年生23名の仲間入りを喜びながら、令和5年度をスタートすることができました。目を輝かせて活気あふれる子どもたちを迎え、私たち教職員一同も決意を新たにしています。
 令和元年度末以降の新型コロナウイルス感染症の終息が見られることとなってきましたが、個々人の感染対策への心構えは大切です。大人も子どもも今、自分でできること・すべきことは何かを考えるとともに、例年通りに戻れない、できないことはすべてマイナスでなく、プラスの面も考慮しながら「発想の転換」が大事であると考えます。
 そして、「Withコロナ禍の新しい学校生活」を送ってきた子どもたちには、「学びを辞めない」という自信と友達や様々な支えとなった人々との絆、一緒に学び合える喜びを実感できたことも、一つの事実として残ると考えられます。正に、「主体的・対話的で深い学び」の体現でありましたが、今後も経験したことのない大きな変化に次々と直面するものと予想できます。
 引き続き私は、校長として、情報化やグローバル化等急激な社会的変化、人的や自然的な不測の事態及び災害等があっても、学校は子どもたちの安全を守るとともに、未来の創り手として必要な学ぶ力や人と共に知識を生かす力を身に付けさせることが最も重要な責務であり、使命であると考えています。
 そこで、現行学習指導要領には、「一人ひとりの児童生徒が、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすること。」とあります。
 公教育としての学校教育の基本は、第一に、自ら課題を発見し、考え、判断し、よりよく解決する学ぶ力の育成です。「必要な知識を身に付け、自ら課題を見付け、解決する」という学び方を通して、思考力、判断力、表現力や、主体性をもって多様な人々と協働する態度などを身に付けさせるのです。そのために、ICTを活用した新たな学びの創造による学ぶ力と、基礎的・基本的な知識及び技能とのバランスが取れた学ぶ力を身に付けさせます。
 第二には、健全な心身の育成です。健全な心と体の育ちを保証し、豊かな人間性を育むことは、学力と車の両輪を成します。深刻ないじめ問題が社会にあふれている状況下で、人や自然との多様な関わりを通して、自他の命を尊重する態度とともに、人の役に立ち、よりよい生活や人間関係を築こうとする自主的・実践的な態度を育てます。
 第三には、地域に開かれた連携における教育活動です。地域運営学校であることを生かし、児童に学ぶ楽しさを味わわせるため、地域密着型の教育活動を推進していきます。それは、専門的な知識及び技能を有する方々から体験的に学び、その人柄や生き様に触れることで、児童が郷土愛と自分の将来の夢をふくらませることが期待できるからです。地域の方々の学校教育への参画を推進し教員・保護者・地域住民で「子どもを一緒に育てる」という協働意識を高めていきます。

八王子市立長房小学校
校 長  川村 和人